産後、ぽっこりと出たお腹に悩むママは多いでしょう。
出産後の体型戻しは、単に痩せるだけでなく、特にお腹周りの筋肉を効果的に鍛えることが大切です。
今回は、産後のぽっこりお腹に効くピラティスについて詳しく解説します。
産後の体のアンバランスとは?
産後のお腹がぽっこりする理由
まず、産後にお腹がぽっこりと見えるのにはいくつかの理由があります。
妊娠中、お腹が大きくなるにつれて腹直筋(お腹の真ん中を縦に走る筋肉)が伸び、左右に分かれることがあります。
この状態を「腹直筋離開」と呼びます。
出産後、これらの筋肉が元の位置に戻るには時間がかかり、場合によっては自然には戻らないこともあります。
そのため、お腹がぽっこりとしたままになってしまうのです。
さらに、妊娠中に骨盤底筋が弱くなり、これが姿勢の悪化や腹筋の弱化を招くこともあります。
産後に適切なトレーニングを行わないと、これらの問題が解消されず、ぽっこりお腹が続く原因となるのです。
ピラティスが産後のお腹に効果的な理由
ピラティスは、インナーマッスル(深層筋)を鍛えることに特化したエクササイズです。
特に産後のママにとって、以下のような点で効果的です:
- 腹直筋離開の改善
ピラティスでは、腹筋群全体をバランスよく鍛えるエクササイズが多く、これにより腹直筋離開の回復を促進します。 - 骨盤底筋の強化
骨盤底筋を鍛えることで、姿勢が改善され、腰痛や尿漏れなどの産後の悩みも軽減されます。ピラティスには、骨盤底筋を意識的に使うエクササイズが多く含まれており、これが産後のリカバリーに役立ちます。 - 全身の調整と姿勢改
ピラティスは、体のバランスを整えるために全身を使ったエクササイズを行うため、産後にありがちな姿勢の悪化を防ぎます。正しい姿勢を保つことで、腹筋が自然と引き締まり、ぽっこりお腹の解消に繋がります。
ピラティスを始める前に知っておきたいこと
出産方法や体調の回復具合は人によって違います。
そのため、エクササイズに取り組むタイミングや強度も異なってきます。
まずは医師に相談し、運動を始めて良い時期や、避けた方が良い動きがないか確認しておきましょう。
また、ピラティスを続けるための心構えも重要です。
産後は赤ちゃんのお世話で忙しく、自分のための時間を取るのが難しいことも多いです。
しかし、短い時間でも自分に集中することで、心身のリフレッシュにつながります。
完璧を求めず、少しずつ自分のペースで進めていくことを心がけましょう。
ぽっこりお腹に効果的なピラティスエクササイズ(クリスクロス)
では、実際に産後のぽっこりお腹に効果的なピラティスエクササイズを紹介します。
このエクササイズは自宅でも簡単に行うことができ、特別な道具も必要ありません。

クリスクロスは、ピラティスの中でも特に腹筋を鍛えるためのエクササイズとして知られています。
このエクササイズは、腹斜筋(脇腹の筋肉)を中心にアプローチしますが、お腹周り全体をバランスよく引き締める効果もあります。
また、体幹の安定性を向上させるため、日常生活での姿勢改善にも役立ちます。
クリスクロスの実践方法
- 始めの姿勢を整える
- 仰向けに寝ます。背中を床にしっかりとつけ、両膝を曲げてテーブルトップの姿勢にします(膝が股関節の上にあり、すねが床と平行になる位置)。
- 両手を頭の後ろで組み、肘を横に広げます。肘は開きすぎず、視界の端で見えるくらいに保ちます。
- コアを意識する
- 息を吸って、体幹(コア)を意識しながらお腹を引き締めます。腰が反らないように床に軽く押し付けるような感覚を持ちます。
- 上体を持ち上げる
- 息を吐きながら、頭と肩甲骨を床から持ち上げ、上体を軽く起こします。このとき、首に力を入れすぎず、腹筋で上体を引き上げることを意識します。
- ねじり動作を加える
- 息を吸いながら、右肘と左膝を近づけるように上体を左側にねじります。右足は伸ばし、つま先を床から少し浮かせます。このとき、体幹を安定させたまま動作することがポイントです。
- 反対側も同様に
- 息を吐きながら、上体を戻し、続いて左肘と右膝を近づけるように上体を右側にねじります。左足を伸ばし、つま先を床から少し浮かせます。
- 繰り返し動作を行う
- この動作を左右交互に繰り返します。片側で1回とカウントし、10〜15回を1セットとして行い、慣れてきたらセット数を増やします。
ポイント
首に負担をかけないよう、頭を手で強く引っ張らないようにしましょう。
背中を丸めすぎないようにし、肩甲骨を引き下げるように意識します。
体のねじり動作は腹斜筋で行い、腰をひねらないように注意します。
クリスクロスの効果
- 腹斜筋の強化
クリスクロスは、主に腹斜筋(体の側面にある筋肉)を鍛えるエクササイズです。腹斜筋を強化することで、ウエストラインが引き締まり、体幹の安定性が向上します。これにより、日常生活や他のスポーツ活動でのバランス感覚が良くなり、怪我のリスクも減少します。 - 体幹の安定性向上
このエクササイズは、体幹全体を使って行うため、体幹の安定性が高まります。体幹が安定することで、姿勢が改善され、腰痛の予防や改善にもつながります。また、体幹がしっかりすると、他の運動や日常の動作でも体を効率的に使うことができ、全体的な体力が向上します。 - 腹直筋への効果
クリスクロスは、腹斜筋だけでなく、腹直筋(お腹の正面の筋肉)も強化します。特に、上体を持ち上げてねじる動作が腹直筋に効くため、ぽっこりお腹の解消にも効果的です。 - 全身の引き締め効果
クリスクロスは、足を交互に伸ばしながら行うため、下腹部にも負荷がかかります。また、両足を交互に動かすことで、脚の筋肉も使われるため、全身の筋肉をバランスよく引き締める効果があります。 - 柔軟性とコーディネーションの向上
クリスクロスは、体をねじる動作が含まれるため、脊椎の柔軟性が向上します。また、左右の動きを連続的に行うことで、体のコーディネーション能力も鍛えられます。これにより、日常生活での動作がスムーズになり、運動能力も向上します。
おわりに
クリスクロスは、産後のぽっこりお腹の改善や、体幹の安定性向上に効果的なピラティスエクササイズです。
しっかりとしたフォームで行うことで、腹斜筋や腹直筋を効率的に鍛えることができます。
最初は少ない回数から始めて、体力に合わせて徐々に回数やセット数を増やしていくのがおすすめです。
続けていくことで、引き締まったお腹と安定した体幹を手に入れることができるでしょう。
